ボールを持たないプレイヤーに対するディフェンス


LastUpdate 9/10/9

ぺリメーター・プレイヤーに対するディフェンス

 ぺリメーター・プレイヤーに対して、ディフェンス・プレイヤーはボールマンとマークマンの間でオーバープレイをして簡単にパスされることを防がなければなりません。もし、ボールを持たれたとしても直接攻撃につながらないような場所でボールを受けさせるように仕向けます(ディナイ・ディフェンス)。

 ディナイ・ディフェンスの基本スタンスは、身体をマークマンに正対してボールに対して背中を見せるようにします(クローズド・スタンス)。足の幅は肩幅よりもやや広めにとり、膝を軽く曲げ、上体を反らない程度に起こして、下腹部に力を入れていつでも動けるような体勢にしておきます。体重はやや内側の足に乗せるようにします。外側の手は胴部分に沿ってパスレーンまで伸ばし、掌をボールマンに見せるように広げ親指が下を向くようにします。内側の手は肘を張り、掌を胸の前に置くようにします。顔は顎を絞め伸ばしている指先の方に向けるようにして、ボールマンとマークマンの両方を見るようにします(ビジョンの原則)。この時、ボールを目の中央にしてマークマンを目の端に置くようにします。

 ディナイ・ディフェンスのポジションは、ボールとマークマントとゴールによってできる角の 2等分線上よりもややパスラインより(ポジションの原則)で、パスコースに伸ばした手がかかるようにします(図2-2)。このとき、自分の顔の斜め前にマークマンの顔があるようにします。

特例:ボールマンがドリブルしている場合、ドライブ・インを狙ってボールを腰よりも下げた場合、自分のマークマンを全く見ていない場合は、クローズド・スタンスではなくオープン・スタンスとなり、パス・ディナイよりもヘルプ・ケアを考えます(図2-3)。オープン・スタンスのときのポジションは、クローズド・スタンスの場合よりも下がりぎみで、角の2等分線上よりややボールよりに位置します。

        
図2-2      図2-3

 オフェンスは、ディナイされている場合にV−カットなどを用いてディフェンスを振り切ってボールを受けようとします。このとき、ディフェンス・プレイヤーはステップ・スライドを用いてオフェンスに付いて動き、常にマークマンに対して同じポジション(視線を変えず、顔の斜め前にオフェンスの顔がある状態)を保てるようにします(図2-4)。後進の場合、オフェンスがフリースローレーンまでディフェンスを押し込んできたら、2パス・アウェイのポジションになるためにオープンスタンスになります(図2-5)。オフェンスが急にバスケットに向かって鋭くカットイン(バック・ドア・カット)するのであれば、ディフェンスはそれについて行き、ボールに背を向けるように首を振って、マークマンに対応します(図2-6)。

   
図2-4   図2-5   図2-6


2パス以上離れたプレイヤーに対するディフェンス

 ボールから2パス以上離れたオフェンスに対するディフェンス・プレイヤーは、ボールマンのディフェンスが抜かれてきたときの味方のヘルプ、自分のマークマンが2パス・アウェイからワン・パス・アウェイにフラッシュしたり、ポジションを変えようとしたとき、簡単にポジションを取らせないようにします。

 このときのスタンスは、ピストル・スタンスと呼ばれるオープン・スタンスを行います。さらに、このときのディフェンス・プレイヤーのポジションは、図2-7で示されるように角の2等分線よりもやや下がりぎみで、ボールマンとマークマンに対してほぼ等距離に位置し(ややマークマンよりとなります)、フリースローレーンの中になります(フロートの原則。自分のマークマンを必ず自分の顔の前に置くようにします。

        
図2-7   図2-8

 ピストル・スタンスは、身体の向きをパスラインに垂直になるように向けます。足の幅は肩幅よりもやや広めにとり、膝を軽く曲げ、上体を反らない程度に起こして、下腹部に力を入れていつでも動けるような体勢にしておきます。体重は前後左右に均等に乗せ、すぐに動けるように準備の姿勢をとります。手は大きく両腕を広げて、それぞれマークマンとボールマンを指差します。顔は顎を身体の正面に向けるようにして、ボールマンとマークマンの両方を見るようにします。この時、ボールを目の中央にしてマークマンを目の端に置くようにします。

 2パス以上離れたディフェンス・プレイヤーは、マークマンに対してそれほどタイトにマークする必要がないので、レーン内の重要なヘルプポジションとして、より有効にディフェンスすることができます。そこで必要であればいかなるチームメイトのヘルプにいつでも参加できるように準備しています。クリーンアップポストにディフェンス・プレイヤーが1人存在しているだけで、ボールマンやその隣のオフェンスについているディフェンスは、より積極的にプレイできるようになります。レーン内のヘルプポジションにいるディフェンスは、必要なときには次の重要な機能を果たさなければなりません。@ボールマンの隣のオフェンスによるバックドアプレイに対してヘルプすること(図2-8)。Aポストマンへのロブパスを防ぐこと(図2-9)。Bベースライン沿いのドライブインに対してヘルプすること(図2-10)。

        
図2-9   図2-10



フラッシュカットに対するディフェンス

 自分のマークマンがヘルプサイドからボールサイドへフラッシュする場合、ディフェンスはマークマンのコースを抑えて、コースとタイミングをずらせることを目的としてディフェンスをします。そして、ヘルプサイドからボールサイドへフラッシュした場合は、必ずマークマンをミドルライン上でつかまえて、ディナイの状態を作ります。このとき、ディフェンスは他のプレイヤーに対して“フラッシュ”と声をかけて、マークマンの動きを知らせます。ディフェンスはマークマンがボール方向に間合いを詰めることによってボールの隣のポジションになるために、クローズド・スタンスに移行します。そして、ミドルライン上で相手を捕まえてからディナイを行うことによって、相手の思っている位置(ボールサイド)へ行かせないよう、ボールを受けさせないようにします。このとき、少しでもタイミング、時間を余計に使わることが出来ればディフェンスの目的は達成出来たことになります。図2-11と図2-12はそれぞれローポスト・フラッシュとハイポストフラッシュのディフェンスの動きを示しています。

        
図2-11   図2-12




inserted by FC2 system