ドライブインに対するヘルプ・ディフェンス


LastUpdate 98/3/11


シャット・ザ・ゲイト

        
図3-1          図3-2

 図3-1で示されているように、ドライブインされたとき、ドリブラーのディフェンダーに最も近いディフェンダーがヘルプしなければなりません(サポートの原則)。

 ボールマンの隣のディフェンダーの役割は、簡単にパスを出させないこと(ディナイ・ディフェンス)とボールマンがドライブ・インした場合に味方のヘルプに出ること(ヘルプ・ディフェンス)です。

 ボールマンのディフェンダーは、できるだけ外側に、リングから遠ざけるようにドライブさせるようにディフェンスをし(ドリブルの方向づけ)、例え抜かれたとしてもボールマンの横を付いて行きます(ラン・グライド・ラン)。ボールマンの隣のディフェンダーーは、ボールマンがドリブルを始めたならば、素早く足を動かし、オープンスタンスのポジションからドリブラーに対してボールマンのディフェンスと挟むように飛び出します。このとき、ディフェンスは間を抜かれないようにし、ドリブラーのドリブルを止めるか外側に行かせるようにしなければいけません。ドリブラーがその動きを止めたならば自分のマークマンのポジションに素早く戻ります(ヘルプ・アンド・リカバリー)。また、ドリブラーがミドルレーン(ディフェンスのウィークサイド)にドライブインしてきたとき、ヘルプするディフェンダーーは自分のマークマンを視野に入れておかなければなりません(ビジョンの原則)。

 ボールマンの隣のディフェンダーーは、ボールマンがドライブインをするためにボールを腰よりも下げた場合とボールマンが逆の方向を見ていて自分のマークマンにパスを出すことが出来ない場合、ディナイのポジションから離れてオープン・スタンスを取り、ドライブ・インに対するヘルプの用意をします(ディフェンシブ・ポジションの原則の特例)。図3-2はドライブするためにボールマンがボールを腰よりも下げた場合のディフェンス・ポジションを示しています。


ヘルプ・アンド・リカバリー

     
図3-3    図3-4    図3-5

 ボールの隣のディフェンスは自分のマークマンをはっきりと視野にいれておかなければならない。ボールマンがドリブルを止めた後、ボールマンはノーマークになっている隣のプレイヤーにパスするので、ヘルプに出たディフェンスは素早く戻らなければなりません(ヘルプ・アンド・リカバリー)(図3-3)。

 パスを受けたプレイヤーがクローズアウトしてくるディフェンスに対してドライブインしたとき、隣のディフェンスはヘルプに出てシャット・ザ・ゲートを同様に行います。他の2人のプレイヤーはフリースローレーン内でバックアップマンとしてヘルプに出る準備をしておきます(図3-4)。

 ドリブラーがウイングにパスすると、ヘルプに出たプレイヤーはそのままディフェンスに戻り、ボールマンのドライブをバスケットに一直線でなく、外に向かって大回りするようにドリブルさせるように仕向けます。フリースローレーン内にいる逆サイドのウイングにマッチアップしているディフェンスは、ドライブインしてくるボールマンがフリースローレーン内に入らないようにフリースローレーンを横切ってヘルプに出ます。もう1人の逆サイドのプレイヤーはより深く入って、ヘルパーをヘルプする(ヘルピング・ザ・ヘルパー3人目のヘルプ)。もう1人のディフェンスも同様にフリースローレーン内に入ります(図3-5)。



ローテーション

        
図3-6          図3-7

 図3-6で示されているようにボールマンのディフェンスが抜かれた場合、隣のディフェンスは "カバー"または”ヘルプ”とコールしてドリブラーに対して出ます。ドリブルで抜かれた場合のカバーディフェンスを行うことによって、必ずノーマークは出来ます。そのため、抜かれたディフェンスは、抜かれてもそのまま全速力でボールマンを追いかけて行き(ラン・グライド・ラン)、ボールマンが止まってもそのままヘルプに出たディフェンスのマークマンのところに動きいてローテーションを行います。

 図3-7は、3人でのローテーションが示されています。図3-6のようにローテーションを行いますが、パスに対して遅れる場合があります。その場合、ボールマンに対して他に早く対応できるディフェンスがいるときには、3人目のヘルプディフェンスを行い、抜かれたディフェンスはそのままローテーションします。

 図3-6の場合は2人のローテーションですが、実際には3人または4人で行います。このときのディフェンスは、ボールマンをノーマークにしないために、時間的に最もボールに近いプレイヤーがボールマンに対して反応しなければなりません(マッチアップの原則)。


        
図3-8          図3-9

 ドライブインに対して、隣のオフェンス・プレイヤーは簡単にヘルプに行かせないように、ボールから遠ざかるような動きをします。このような場合、ディナイの原則のために、ドライブインのヘルプに遅れることになります。しかし、ボールラインの原則によって、ドライブインに対するヘルプディフェンスを上手く行うことが出来ます。ボールラインの原則:ほとんどすべての場合において、ディフェンダーーはボールラインの内側に位置しなければなりません。ボールラインは、リングを中心としたボールマンを通る半円上の仮想線です。オフェンスがドリブルを終えた状況(デッドボール・ディフェンス)では、ボールラインの原則は当てはまりません。

 図3-8に示されるようにボールマンがディフェンスの間にドライブインを始めたとき、隣のオフェンスプレイヤーが後方に移動したときも、ボールマンの隣のディフェンスは、ボールラインの原則によってドライブインのヘルプに出ます(サポートの原則)。

 ドライブインのヘルプと同じような動きを積極的に用いることによって、トラップディフェンスを行うことが出来ます(図3-9)。ドライブインを始めた瞬間に、隣のディフェンスは”ジャンプ”とコールして走ってドリブラーに向かいます(ラン・アンド・ジャンプ)。ドリブラーのディフェンスは、方向転換をさせないように横からディフェンスをして、隣のディフェンスが出てきた瞬間にそのまま走って隣のプレイヤーのディフェンスにスイッチします。こうすることによって、ボールマンを驚かすことが出来ます。






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