ポストマンに対する個人のディフェンス技術


LastUpdate 98/5/1


ポストマンに対する個人のディフェンス技術

 ポストマンのディフェンスは非常に重要なポイントです。ここに簡単にパスを入れられると、オフェンスは非常に楽になります。また、リングに近い位置でボールを保持されることは、得点する確率を高め、インサイドからアウトサイドへ簡単にパスを出されると縦の動きを行うことになり、ディフェンスを行うことが難しくなります。そのために、まずポストマンにボールを持たせないようにディフェンスを行い、ボールを持たれた後もディフェンスが対応の出来るアウトサイドへボールを戻させるようなディフェンスを行わなければなりません。

 ポストマンのディフェンスは、1人では完全に守ることの出来ないポジションで、必ずどこかに弱い部分が出来ます。このためには、多くの場合においてチームメイトからの協力が必要となります。

 ペリメーター・プレイヤーへのディナイの原則は、ポストマンへも同じように適用されます。パスラインに対しては、どのような位置であれ、必ずディナイをしなければなりません。また、ファン・ディフェンスの原則から、ボールをリングに近ずけるような位置にポストアップさせないようにします。ポストのディフェンスはゴールラインに近い側からディフェンスポジションを取り、外側にポストマンを押しやるようなディフェンスを行います(ポストにおけるディフェンスポジションの原則)。

 ローポスト付近にオフェンスがポスとアップしている場合で、ゴールラインとポストマンが重なるような位置にいる時には、ゴールラインから外へ追いやるように内側の横から身体をかぶせるようにしてポストマンの前でディフェンスを行います(ディフェンス・ザ・フロント、図4-1)。このような状況では、後ろへのロブパスに対して逆サイドにいるディフェンスプレイヤーが対応しなければなりません。ポストアップの位置がゴールラインから外れている場合には、ゴールラインに近い側の横からディフェンスをして、パスラインを遮るように手を挙げます(図4-2)。
 ハイポスト付近にオフェンスがポスとアップしている場合、ディフェンスはゴールラインに近い側の横からディフェンスをします(ディフェンス・ザ・サイド、図4-3)。このとき、あまり前方に出ると、後方へスペースがあるために、ロブパスをされて守ることが出来ません。

   
図4-1   図4-2   図4-3

 ポストディフェンスのスタンスとして次の4つがあります。

  1. ディフェンス・ザ・ビハインド
  2. ディフェンス・ザ・サイド
  3. ディフェンス・ザ・フロント
  4. フル・フロント

 ポストディフェンスのスタンスとして多くの場合では、が用いられます。は消極的なディフェンスであり、オフェンスとのポジション取りで負けた場合になるスタンスです(図4-4)。は完全にオフェンスの前に立ち相手にプレッシャーをかけるときに行いますが、リバウンドへの対応が難しくなるのでトラップディフェンスのときや相手のポストマンが非常に強力であり、出来るだけオフェンスから外したい(オミットしたい)場合などに用います(図4-5)。

        
図4-4       図4-5

 ボールの移動に対しても、ポストにおけるディフェンス・ポジションの原則に従いながら、ポジションの移動を行います。ドリブルやパスによるボールの移動から、ディフェンス・ポジションの状態が変わり、ディフェンスは最適な位置へ移動しなければなりません。
 図4-6のようにドリブルで上からポジションチェンジをされたときは、オフェンスの上側からのディフェンススタンスからステップスルーをして、オフェンスの前を通り、オフェンスの下側へ回ります。ステップスルーとは、図4-7の状態から右足を軸足にしてオフェンスの前へ入り、フルフロントの状態を取り、そのまま左足を軸足にしてベイスライン側からディフェンス・ポジションをとります。ベイスライン側から上へドリブルで移動するときは、この逆の動きをします。

        
図4-6       図4-7

 相手のオフェンスが強くてステップスルーが出来ない場合は、ステップスライドでかぶさるようにしてベイスライン側へ移動します(図4-8)。

 ポイントポジションからウイングポジションへのパスに対して、ハイポストのディフェンスはオフェンスの後方を回って、ポジションチェンジを行います(図4-9)。

        
図4-8       図4-9






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