LastUpdate 98/3/12
ディフェンスにとって守るのが最も難しいものの1つは、スクリーンプレイである。しかし、ディフェンスが適切なプレイを選択することによって十分に対処することが可能である。スクリーンプレイに対するディフェンスとしては、次の4つがある。
スクリーンをかけられるディフェンスは、まずファイト・オーバーかスライドを狙い、安易にスイッチ・ディフェンスをしてはならない。スクリーナーのディフェンスは、スクリーンにかかったときにすぐスイッチ・アップができるように備えるべきであり、ショウ・ディフェンスを行いチームメイトがそのままつけるように手助けしなければならない。
スクリーン・プレイに対するディフェンスとして最も重要な技術は、チームメイトとのコミュニケーションである。スクリーナーのディフェンスは、スクリーンをかけられるチームメイトに対して、@スクリーン・ケア、A左右どちらのスクリーンか、Bファイト・オーバーかスライドか、このような情報を与えなければならない。スクリーンをかけられるディフェンスは、このようなチームメイトの声を聞いたならば、必ず返事をしなければならない。もし、チームメイトの指示通りにディフェンスできずにスクリーンにかかれば、スクリーンをかけられたプレイヤーが "スイッチ" のコールをしなければならない。スクリーナーのディフェンスは、スイッチのコールなしで勝手にスイッチしてはならない。
図5-1 | 図5-2 | 図5-3 |
ファイト・オーバー・ザ・トップ・スクリーンは、ディフェンスが自分のマークマンとスクリーナーの間に入りスクリーンをさせないことである。図5-1に示されるように#1が#2にパスして、そのまま#2のアウトサイド・スクリーンを用いて#2からパスを受けるとき、×1は#1と#2の間を通りぬけてパスを出させないようにして#1のディフェンスをする。
スライディング・スルー・ザ・スクリーンは、インサイド・スライドと呼ばれるスクリーナーとスクリーナーのディフェンスの間をすり抜けてスクリーンを防御するものとアウトサイド・スライドと呼ばれるスクリーナーのディフェンスの後ろを通りスクリーンを防御するものがある。図5-2に示されるインサイド・スライドは、#1が#2にパスして、そのまま#2のアウトサイド・スクリーンを用いて#2からパスを受けるとき、×1が#2と×2の間を通りぬけて#1のディフェンスをする。図5-3に示されるアウトサイド・スライドは、#1が#2にパスして、そのまま#2のアウトサイド・スクリーンを用いて#2からパスを受けるとき、×1が×2の後ろを通りぬけて#1のディフェンスをする。
図5-4 | 図5-5 | 図5-6 |
スイッチング・ザ・ディフェンスは、相手のスクリーン・プレイに対してマークマンを交代して防御するものである。ただ単にスイッチすればミスマッチが起こったり、ピック・アンド・ロールによってノーマークが生ずるので、スイッチ・アップする方が良い。スイッチング・アップ・ザ・ディフェンスは、スクリーナーのディフェンスはオフェンスのコースに入り進路を遮り、チャージングをとるか、動きを止めるか、外に逃がしてスクリーン・プレイを有効にさせないことである。そして、スクリーンをかけられたディフェンスは、ロールしてスクリーナーの前に入る。図5-4に示されるようにスイッチは、#1がドリブルで#2のスクリーンのほうに向かうとき、×1と×2がそれぞれのマークマンを交換して#1のディフェンスを×2がして、#2のディフェンスを×1がする。図5-5に示されるようにスイッチ・アップは、#1がドリブルで#2のスクリーンのほうに向かうとき、×2が#1の進路に出てコースを遮断する動作をする。このとき、#1が×2のディフェンスに驚いてドリブルを止めれば、×2は#2のディフェンスに戻り×1が#1のディフェンスをする。#1が外に逃げれば、×2は#1に対してプレッシャーを与え容易に攻められないようにし、×1は#2に対して左肩を支点としてロール・オフしてパスされないようにする。
図5-6に示されるように#1が#2の方にドリブルで進んできたときに#2がレシーバーではなくスクリーナーであると判断すれば、×2はオーバープレイのポジションから離れ、#2の外側の肩のポジションに出なければならない。×2はそのポジションに行くのに、#2の前からでも後ろからでも良い。またこのときに×2は "ショウ" とコールしなければならない。
このように×2がスクリーンの進路に入ることによって、次の目的の内の一つを達成することが望まれる。一つ目は、×2がドリブラー#1を驚かせドリブルを止めること。二つ目は、×2が#1からチャージングを取ること。三つ目は、#1に遠回りを強いて、#1と#2の間を×1がファイト・オーバーすることである。