LastUpdate 97/11/7
ディフェンスはバスケットボールにおいてシュートに次いで最も重要な技術のひとつです。特にマンツーマン・ディフェンスは、どのようなタイプのディフェンスを行う場合においても基礎となる動作(ファンダメンタル)で、すべてのバスケットボール・プレイヤーが習得すべき技術です。これらのファンダメンタルを身につける事により、いくつかの原則を付け加える事で様々なディフェンス・システムに対して適応する事が出来ます。
ゾーンディフェンスはディフェンスの配置やディフェンスの原則に多くの考え方があり、コーチの数だけバリエイションが存在すると言われています。ここで述べるのは、ポイント・ゾーン・ディフェンスについてで、数多く存在するゾーンの中でもマンツーマンとの共通の原則が非常に多いタイプのゾーン・ディフェンスです。このため、他のゾーンと比べても習得が容易であり、短時間での導入が可能となります。
ポイント・ゾーン・ディフェンスは、いつもボールにプレイすると同時に1人1人をディフェンスの各々の守備範囲内でマッチアップします。すなわち、チーム全体がポイントマン(ボールマンにマッチアップするプレイヤー)を中心に組むという考えのゾーン・ディフェンスで、マンツーマンに近い形になるように考えられています。それは、基本的に1対1のマッチアップを意識したゾーン、つまりマンツーマンと同じような原則に基づいてるゾーンになっているためです。もちろん、マンツーマンと異なり、移動するプレイヤーに対してずっとマークすることはありません。このような場合には、より近いプレイヤーに対してマークマンのスイッチを行うかマークを意識をした状態で離してつきます。
オフェンスに対してアクションを開始して、相手を当惑させ、意図するプレーをさせない。
積極的にボール・スティールなどのギャンブルを狙うのではなく、相手のミスを誘うようにディフェンスを行う。
相手にはシュート入れさせない事、次にたとえ入れられてもその過程を非常に困難なものにする事、ゲームプラン通りにさせない事をディフェンスの原則とし、精神的・肉体的にストレスを与える。
相手にプレッシャーを与えてドリブルをさせ(ボール・プレス)、そのままサイドラインに追い込む(ファン・ディフェンス・システム)
ディフェンスがボールマンに対してボールプレスを行いドリブルをさせる事によって、オフェンスの動きを少なくさせてディフェンスを楽にする事ができます。そして、ボールマンがコートの中央にいるよりもコートサイドにいるほうがパスコースが狭められる事によって、他のプレイヤーのディフェンスがより簡単になります。このため、ディフェンスは常にボールをサイドラインの方向へ行かせることを目的とします。
防御陣内にいるオフェンスプレーヤーに対して簡単にパスされないようにする(ポストへのパスディナイ)
防御陣内にいるオフェンスプレーヤーに対しては、簡単にパスを受けることができないようにオーバープレイします。また、オープンパスに対しては、3線目のプレイヤーがカバーします。
ゴールへ真っ直ぐ進むドライブに対するカバー(サポート・ディフェンス)
防御陣内にドライブインしようとするプレイヤーに対しては、2線目のプレイヤーが積極的にカバーに出て、オフェンスの動きを止めます。また、そこから出されるパスに対しては、すぐに戻るか、3線目のプレイヤーが対応します。
ヘルプサイドからヘルプを行い、常にこの積極性を保つ(ヘルプ・ディフェンス)
ファンディフェンスを行う事によってヘルプサイドを作る事が出来ます。また、ボールプレスを行う事によって離れた位置にいるプレイヤーへのパスを出す事を難しくさせます。このために、ヘルプサイドにいるディフェンス・プレイヤーは積極的にヘルプを行う事が出来ます。
常に声を出して、プレイヤー同士でコミュニケイションを取る(ディフェンシブ・ボイス)
味方同士のコミュニケイション、さらにコーチとのコミュニケイションはディフェンスにおいて非常に重要で、プレイヤーが常に意識していなければならない技術です。ディフェンシブ・ボイスは簡単なキーワードによって行い、出来るだけ短い時間で意志疎通が行えるように練習すべきです。ディフェンスボイスによって、ディフェンスでの予測(次のボールマンへのマッチアップ、ヘルプディフェンスなど)を行うことが出来、オフェンスに対してプレッシャーを与えることが出来ます。